【就活】固定残業代の仕組み-45時間分は妥当?給与はどれくらい?

就活

皆さんこんにちは、TaroTechです。

今回は誰もが気になる給与に関するテーマで「固定残業代の仕組みや45時間に関する数字の話」についての記事になります。

就活をする上で誰しもが給与は気になりますよね。
求人を見ていてつい魅力的な数字に惹かれ、細かい部分を見落としていませんか?

今回はそんな給与に隠された仕組み、数字の話や落とし穴について解説していきます。

この記事の要点
  • 給与には固定残業代という制度がある
  • 残業時間によっては他の企業よりも損する場合がある
  • 場合によっては違法な固定残業代を提示されていることがある

1.固定残業代(みなし残業代)の概要

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固定残業代(みなし残業代)とは、企業が残業の発生を想定して、あらかじめある一定時間分の残業代を支払う制度のことです。

一般的なルールとして固定残業代は金額とその金額が何時間分に該当するかを記載する必要があります。

就活生的な目線で見るとこんな感じです。

月給235,000円(30時間分の固定残業代45,000円を含む)

ちなみにこのような記載の企業もあります。

某生命保険会社

逆にこういうのはまずいということになります。

月給235,000円(固定残業代を含む)

このような記載では、何時間分で何円の固定残業代が含まれているか分かりませんね。
こういう記載をしている企業は注意しておく必要があるかもしれません。

2.固定残業代で得する場合

固定残業代で得する場合はズバリ、「みなし残業時間よりも残業時間が短かった場合」です。

固定残業代は、あらかじめ設定された時間・金額分は全額支払わなければならないというルールがあります。

例えば、給与に固定残業代が30時間分含まれている会社で20時間しか残業しなかった場合も30時間分の残業代は払われるので、こういう場合は得をします。

JavaDog
JavaDog

新人時代は得する場合があっても、年次を重ねていくにつれて業務量は増えるため得する機会は減っていきます。また、これと似た概念で裁量労働制というものがありますが、こちらはあらかじめ決められた時間を超過した分は支払われませんので十分注意が必要です。

3.固定残業時間の上限45時間について

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固定残業時間には上限が定められていないものの、一般的には「45時間」が上限の目安とされています。

この背景には、36協定という労働者を守るための協定が関係しています。

36協定では、月45時間・年間360時間という法定時間外労働時間の上限が定められており、ここから固定残業の上限目安は45時間とされています。

ただ、あくまでも目安なのでこれをオーバーしたからと言って違法になるとは言えません。

4.45時間分の固定残業代はいくら?

先ほど述べた固定残業時間の上限目安である45時間の固定残業代はいくらになるでしょうか?

基本給が23万円の企業を例にとって考えたいと思います。

一般的な就業時間は1か月で約150時間(7.5時間×20日)
⇒230,000円/150時間=時給1,533円

残業代は基本給の時給に1.25倍が適用されるので、
1533円×1.25=1917円(小数切り上げ)

これが45時間分なので、
1,917円×45時間=86,265円
となります。

また、月収全体で見ると、
230,000円+86,265円=316,265円
となります。

このように基本給が23万円の企業における45時間分の固定残業代は約8万円~9万円ほどになります。

金額だけ見ると結構な額になるのが分かると思います。

ちなみに45時間の残業は一日平均に換算すると、毎日2.5時間~3.0時間くらいの残業時間になるため思ったよりも肉体的にはつらいと感じる人が多いと思います。

5.就活生が知るべき固定残業代の落とし穴

固定残業代は得をする場合もあると説明しましたが、その一方で、制度をよく理解していない人を勘違いさせる数字のマジックも存在します。

ケース

仲良しの就活生A君とB君はそれぞれA君がA社、B君がB社という企業から内定をもらいました。
そのうちA君はA社という企業に決めるにあたって、給料の高さが決め手となりA社を選んだようです。
あるとき、A君とB君は給料の話になりました。

A君
A君

僕が内定もらったA社はIT系企業なんだけど、規模がそこまで大きくない割に結構給料よくて初任給24万8千円らしい!

B君
B君

それはいいね!
僕も大手メーカーから内定もらったんだけど、初任給24万8千円って書いてあった。

給料全く同じだね(笑)。

A社もB社も提示金額的には同じで、特にA君は「給料のいい会社に入れた」と満足していました。
ところが給料の詳細をよくよく見てみるとある数字のマジックがあったのです。

A君の会社もB君の会社も同じく給与は24万8千円で同じ金額なのですが、A君の会社の給与にはどうやら固定残業代が含まれているようです。

例えば、2人がともに40時間残業した場合を考えてみましょう。

B社は給与に40時間分の残業代が満額上乗せされた金額が支払われるのに対して
A社は給与に40時間の残業時間から固定残業時間を引いた10時間分の残業代が上乗せされた金額しか支払われません。

A君
A君

なんだそういうからくりがあったのか。。。
給料高いじゃんと思ったけど、みなし残業代込みでやっとBの給料と同じになるんだ。。

B君
B君

まあまあ、お金がすべてじゃないからね、、、

このケースのように一見給料が高そうに見えても、実は固定残業代が含まれているから高く見えているだけで、固定残業時間が含まれていない会社の人と同じくらい残業したらかなりの収入差になってしまうという数字のマジックがあるのです。

JavaDog
JavaDog

皆さんも提示されている給与の数字だけ見るのではなく、細かい制度のところも注意深く見ることで、入社してから「聞いていた話と違うじゃないか」と思わなくて済むはずです。

ちなみに余談ですが、マイナビで超人気企業でもあるソニーの求人を見てみると、、

固定残業代なしでこの金額を提示しています。
皆さんも頑張ってこのような優良企業を目指しましょう。

4.違法な固定残業代の疑いがあるパターン

固定残業代そのものは真っ当な制度なので特に問題はありませんが、その固定残業代を利用した違法なパターンが存在するのでいくつか紹介していきます。

4-1.固定残業代の金額と時間があいまい

本来固定残業代は時間と金額を明示する必要があるため、その時間あるいは金額が明示されていないというのは違法の可能性があります。

例えばこういうの、
月給23万円(固定残業代35時間分および交通費(上限2万円まで)を含む)
→35時間で何円分になるか分からない

月給22万(みなし残業代込み)
→時間も金額も分からない

JavaDog
JavaDog

何度も言いますが固定残業代は時間と金額の両方を記載して有効となりますので、どちらか一方でも欠けて記載している企業はブラック臭がするなと思ってください。

4-2.超過した残業代が支払われない

本来固定残業代については、みなし残業時間に満たしていなくても満額支払い、みなし残業時間を超過したら超過分を支払う義務があります。

例えば、「固定残業代30時間含む」と記載された企業で45時間残業したのなら、超過した15時間分の残業代を追加で支払わなければなりません。

それに対して、「当社は固定残業代を支払っているからそれ以上の残業については1円も出さないよ」なんて言った日には完全アウトということになります。

4-3.最低賃金を下回っている

これが一番気づきにくいので気を付けなければならないパターンになります。

東京都を例にとって説明しましょう。
まず、東京都の最低賃金は1041円/時間(2021年10月1日発行)です。

次に、時間外労働は1.25倍されるルールなので、
時間外労働の最低賃金は、1.25×1041円 = 1301円/時間(端数切捨て)ということになります。

例えば、30時間分の固定残業代なら
最低でも、1301円×30時間 = 39030円支払わなければならないということになります。

つまり、
固定残業代÷みなし残業時間 < 1301円」となったら違法ということになります。
今一度求人票等を見て計算してみるとよいでしょう。

5.固定残業代や優良企業を知りたい人向けの書籍

最後に固定残業代が適用されているか知りたいときや、一般的に見て優良と言われている企業を探すときに最適な書籍を紹介します。

就職四季報 総合版/優良・中堅企業版

おすすめの書籍は「就職四季報 総合版/優良・中堅企業版」になります。

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まとめ

皆さんいかがだったでしょうか。
今回は給与に関して「固定残業代(みなし残業代)」についてその概要や仕組みについて説明してきました。

固定残業代の制度自体は真っ当な制度でも、その仕組みやルールを理解していないと、後から損した気分になったり、実は違法だったりなんてことが起こり得ます。

皆さんも目の前の数字ばかりを見るのではなく、細かい詳細にも目を通すようにして数字のマジックに引っかからないように気を付けましょう。

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